2010年01月09日

『ベーシックインカム』ということ

最低限所得保障。先の総選挙で新党日本がマニフェストに掲げていたことから、興味を持ってWebなどで簡単に調べてはいたが、どうもしっくりこなかった。まずは財源が問題である。そもそも税金も払っておらず働く気もない人に所得保障をするなどということが、倫理的に許されるのか。まったく絵に描いた餅にしか思えなかった。実現性のない田中康夫の夢物語かはったりだろうと思っていた。
ベーシックインカムについては、その程度の理解であった。この本はネットで注文してあったものを、10月に東北出張の際に、移動の新幹線の中で1−2時間で読んだものだが、あらためてベーシックインカムに興味を持った。ただし、咀嚼するのには1ヶ月ほどかかった。なるほどと合点がいったのは、頭の中であれこれとシミュレーションを繰り返した後であった。
この暮れからの派遣村の報道を見ても、結局は仕事がなく、住居の確保と生活保護の申請に焦点があるようで、国が責任を持って、こうした状況を打開することを考えるなら、思い切った政策の転換が必要であろう。ベーシックインカムが、新しい雇用の流動と新規分野への産業の進出を導くのであれば、現在の不況下では、新しいパラダイムとして大きな可能性が広がるとすら思えてくる。
例えば今、私が関わっている能登島の過疎化問題など、問題解決につながる糸口が見つけやすい。最低限の現金があれば、地域資源は豊富であり、田畑は余っているので、昼間は農作業して、夕方に海岸でタコを捕っていれば、生活にはさして困らない。また安心して、新しい地場産業にもじっくりと取り組むことができる。自然が豊かで、これほど暮らしやすいところはないということになる。自然好きな変わり者の医者が住みついたりと、過疎化も解消されるかも知れない。

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2010年01月08日

自然の観察(復刻版)

昭和16年。日本は太平洋戦争へと突き進んでいく。そんな時代に、書かれた小学校低学年の理科教育のための教員用の教科書である。文部省が発行している。自然の中で五感を使って観察することを重視した指導法が解説されている。
レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」よりも20年も前に出された本書は、日本にも世界に誇るべき自然科学教育があったことを教えている。
今、盛んにおこなわれている自然観察会や自然学校のなかで、参考になることがたくさんある。関係者には一読していただきたい一冊である。

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2010年01月07日

貴重な庶民生活の資料 大絵馬ものがたり

農文協から最近発行された絵馬の記録写真集。著者の須藤功さんは、全国の社寺をまわり、絵馬に描かれた庶民の暮らしをこつこつと撮りためてきた。その集大成がAB版上製176ページオールカラーの5冊の本として出版された。
この本に掲載されている絵は、おもに絵馬堂に掲げられている大絵馬である。祈りを込めて奉納された絵の中には、歴史の中に埋もれがちな庶民の生活がいきいきと描かれている。著者の長年の努力と出版社の企画によって、優れた歴史資料が発掘されたといえる。
第1巻は「稲作の四季」。代掻きや田植え、稲刈りの様子など、そこに描かれているのは、農民の労働である。
第2巻は「諸職の技」。漁業、酒造り、養蚕など。両巻とも、描かれているのは協同作業である。





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